佐藤修悦作・新宿駅のガムテープ標識
- 公共施設の標識に使われているゴシック系フォントというのは、どこか澄ましていて、妙にそそるところがあるような。特に首都高の標識フォント(ゴナDB体というらしい)やUSのインターステートの標識フォントがお気にいり。
- 交通標識のデザインは統一されていることが最重要らしく、例えば出口標識は、「鉄道などの交通システムの場合、出口に関する案内サインは黄色地に黒字で表示することが業界内の申し合わせで統一されています。」なのだそうです。だから都市交通に慣れた人間の目は外に出たくなったら黄色を探す、という行動を無意識にとります。字体も視認性の高いゴシック系が採用されています。
- エヴァンゲリオンでは市川昆へのオマージュとしてタイトルのタイポグラフィにも極太明朝を使っていましたが、地下鉄標識もそれに合わせて明朝に統一されていました。ゴシック系の交通標識に慣らされた目を持つ人にとっては、明朝体の標識は不自然な違和感があって、それが異世界感とか近未来感の演出になっていたのでしょう。そんなわけで標識フォント好きとして、僕はエヴァで交通標識が出てくるとそればっかり見てました。見てないけど。
- 本題の工事中の新宿駅東口構内のガムテープで作られた道案内ですが、これはもう標識フォント好きとしては見逃せないです。ベルセルク風にいえば「それは標識というにはあまりにも大きすぎた。大きく、太く、黒く、そしてインパクトがありすぎた。それはまさに字の塊だった。」てな感じですよ。清楚で控え目なゴシックの正式標識をあざわらうかのように、圧倒的な存在感のガムテープ標識が、あっちは総武線、こっちは中央線、と地下コンコースを仕切りまくり。あまりの怪しさに、JR新宿駅が革命を起こして作った闇総武線かよ、と少し思った。思わないけど。
- で、筋金入りのフォント好きさんがこんなドキュメンタリー映像を・・・
2003年から始まった新宿駅構内切り替えし工事。それに伴って駅の至る所にガムテー プによるユニークな道案内が出現した。一体誰が、どのように製作しているものなのか?
本動画はその謎に迫った2004年製作の映像です。
- 佐藤修悦さんという方の作品(と呼びたい)で、名づけて修悦体だそうです。ドキュメンタリー作成はトリオフォーという団体です。すっげえ。ですね。佐藤さんも、トリオフォーも。You tubeで、日本人のつくった著作権侵害してない意味のある映像って初めて見た。佐藤さんの作品は、今はJR日暮里駅で見れるそうです。
- 追加:日暮里版 YouTube
- See also,
- 製作者ブログ: 「佐藤修悦」のブログ記事一覧-場所っプ
- 参考 : 君は修悦体を知っているか - SLN:blog*
- 首都高フォント : 標識の小ネタ: 高速道路の案内標識のフォント
- 標識のファインダビリティ : 特集●交通と都市再生の未来系 | FUTURE DESIGN 2007 vol.10 | 東芝エレベータ
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