Powers of tenと手塚治虫

  • 小学生のころ、近所の県立自然科学館でよくこの映像(Power of ten)に釘付けになってました。マイアミのゴールドコーストで昼寝をしているある男の人の手のひらから、10秒に10倍ずつスケールアップしながら成層圏に達し、太陽系を超え、銀河系を俯瞰します。
  • そこから急速にマイアミの昼寝男まで引き返し、今度は男の手の平から細胞、染色体、DNA、原子までどんどんスケールダウンしていき、10の36乗にわたるスケールの旅はカメラが中性子と陽子に出会ったところで終わります。
  • あまりに大きいものとかを見るとぽかーんとしてしまうわけですが、まあこの映像よりスケールのでかい話ってないわけで・・・ この映像、製作年が結構昔なのでクエーサークオークなんかが多分発見されてなくて出てこないってとこも、まだまだ尽きないわれらがUniverseのスケール萌え〜って感じです。

http://youtubech.com/test/read.cgi%3Fdl%3DKNlU9uWphbg%26ext%3D.flv

  • これとおんなじくらいスケール萌えしたのが手塚治虫の「火の鳥・未来編」です。そもそも火の鳥という作品は、古代から未来を振動しながら現代を目指す*1という究極のスケール萌え話なわけですが、未来編単独のスケール感はシリーズ全体のスケール感に負けてない思います。
  • 未来編は人類絶滅後の地球で神様に指名された主人公が、知的生物の再生を目指して知的生物の進化を一からやりなおすって話です。神様は知的生命復活の期待を捨てきれないわけですが、生物の進化にかかる時間があまりに膨大すぎて、実体すらなくなってしまう、という悪い夢のような、あまりに壮絶な寂しさにやられました。読み終わったあと自分がわけがわからなくなって夜ご飯も食べずに寝てしまい、母に心配されたのを覚えていますw ああいう知恵熱みたいな経験ってもう一生ないのかな・・・と思うとやはり寂しい。
  • Powers of tenの写真集がイームズから出てます。

http://www.eamesoffice.com/images/267__img_130x130.jpg

  • 火の鳥・未来編 読んでない人は100円あげるから読んで下さい。

*1:結局、絶筆となった大地編(≒現代編?)は現代(日中戦争)を舞台としていたらしく、最終作は近未来を描く太陽編です。詳細は火の鳥 (漫画) - Wikipedia参照