炒めてうまい菜っ葉を求めて

  • 青菜の炒め物に目がない。3日に1日は作っていると思う。青い菜っ葉を塩とにんにくで炒めて皿いっぱいもりもり食うのが幸せである。菜っ葉なしでは生きていかれない体になってしまった。
  • 理想の青菜炒めを求めてありとあらゆる菜っ葉を炒めてきた。炒めてうまい菜っ葉は中国の市場なんかにはたくさんあるんだけど(あたりまえ)、日本にはそんなにたくさんない。以下、塩炒めをベースに書く。
  • よく見かけるチンゲン菜は、あまり塩炒めには向いてないと考えている。しいたけといっしょにオイスターソースで炒め煮なんかにするとおいしいけど、単独で炒めてもりもり食うのには茎のところがもっさりしてて味もなじみにくいので☆1つ半て感じ。
  • ほうれん草は付け合せでバターソテーなんかによくするけれど、しゃきしゃきと景気よく炒めるのは結構難しい。たいていぺとぺとしんなりしてしまう。ちゃんと準備して手早く調理すればシャキシャキに炒めることもできるけど、若干えぐ味もあるので、ムリに炒めずともうまい食い方はいろいろあるだろうというのが俺の意見。胡麻和えとかおひたしとか味噌汁とか。
  • キャベツはお酒をたらして炒めると甘くてうまい。春キャベツならやわらかくて申し分ない。しかし、塩とにんにくでシンプルに炒めると若干物足りない。豚肉を入れて味噌いためにするとか(ホイコーロー)、ジャコやカツブシを入れていためるとか(どさっといれると酒のつまみに良い)、ラー油を入れて辛くするとか、一工夫したほうがうまい。青菜だけをもりもり食いたいというのとはちょっと違う気がする。
  • 白菜は塩炒めには向かない。茎の比率が高いので、やっぱりオイスターソースであんかけ風とか、干しえびを入れてスープ炒めとか、味を含ませたり絡めたりする調理が良い。タン麺にするのもよい。山東菜も同様。
  • 意外といけるのが辛子菜、おいしい菜など。茎がこりこりしているし、野菜の味が濃いのでシンプルな味付けでいける。菜の花も個人的にはいためてうまいと思っているが、日本人として旬の菜の花をにんにくでいためてしまうのは許されない気がするのでやんない。
  • セリ、クレソンも悪くない。香りが強いのでご飯向きというよりはお酒向き。ツルムラサキはいためてはいけない。茎の粘りがよろしくない。味もあわない。おひたしにすべきだろう。
  • はずせないのが空芯菜。中国から炒められるためにやってきただけあって、炒めてこそうまい野菜とはこのことだ、と思う。ただし、ラードでいためないとなーんか物足りない。あまりラードは使いたくないし、値段も高いので(最近安くなったけど)ちょっと敬遠。
  • 本命が小松菜。小松菜を炒める人ってあまり聞いたことないけれど、気軽に手に入る、炒め野菜の4番打者は小松菜だと思う。茎と葉のバランスや硬さ・味、塩味ののり、にんにくとの相性、どれをとっても申し分ない。東京の小松川周辺で栽培されていたから小松菜っていうのだそうだ。
  • これを書きたいがために延々と書いてきたのだけど、日本の炒め野菜の俺的ナンバーワンは、冬菜(トウナ)、という野菜である。中国の白菜の漬物をこうよぶが、それではなくて、純粋に日本の野菜である。小松菜に似ているが、もっと茎が細くて、味が繊細で、甘みもあって、小松菜の数段上だと考える。新潟の名産(多分)だけど、東京では一向に見つからないのです。


http://www.uoroku.co.jp/recipe/recipe/309.html