沖縄料理の憂鬱

  • 町田大道芸で、琉球エイサーを見た。勇壮な太鼓と俊敏な体の返しが好きで、ついつい見入ってしまう。そもそも琉球人でなくても、エイサーをやっている人は多いようだ。沖縄の人にとってみれば、なぜ内地の人がそんなことをやるのかと思うのかもしれないが、文化というものは流入・流出するものである。気が付いてみれば、エイサーは沖縄から始まった、日本の舞踊、という認識を海外にもたれることもありうるのだ。日韓交流イベントでもエイサーが演ぜられた。
  • もう一つの大事な文化、琉球料理はだいぶ一般的になってきた。ゴーヤチャンプルやミミガー、豆腐ようなどは口にした人も多いだろう。現在の沖縄料理はかつてのイタリア料理や中華料理と同じ立場にあるのではないか、と思う。普段食べつけている日常的な和食とは異なる文化の料理としてのエキサイティングな沖縄料理。とはいえ、メジャーなのは往年のミートソースとエビチリのようなゴーヤーちゃんぷるである。
  • 那覇や東京で琉球料理の店を巡っても、メニューはどこもいっしょだ。こうも均一化されていると、すたれちゃうんじゃないかと心配だ。大きなお世話かもしれないが、東京で琉球料理をやる場合、文化の深さをみせないと、材料のものめずらしさだけに依存した料理になってしまう。残念ながら沖縄料理自体が非常に美味、という体験をした覚えもない。一地方料理にそこまでを求めるのが酷なのかもしれないけれど、本土からの楽園沖縄への憧れを料理でも体現してくださいよ!とおもうのです。